サマーブートキャンプ

2010年8月9日,10日にnaistのオープンキャンパスの一種であるサマーブートキャンプが開催されました.その時のシステム制御・管理講座の出し物は,「ハーフマウスの支部サーキットモードを作ろう!」でした.どんなかんじで体験コーナーを開いたかをメモします.(福井の覚書,メモ書きです.)

企画概要

  • 担当者:中村先生,福井
  • テーマ名:マイクロマウスのフィードバック制御入門
  • 概要:ニコニコ動画でも大人気のマイクロマウスロボットの制御を行います。マイクロマウスロボットはフィードバック制御をしないとすぐに壁に衝突してしまいます。直線では壁に衝突せずまっすぐに走り、コーナーではコースに沿って曲がるような制御則の開発を体験してみましょう。
  • 受講条件:C言語プログラム経験
  • 受け入れ人数:2人

受講生はともに大学4年相当で,次年度から院に進むことを想定している.

プログラム能力は2人とも「ある程度かけます」と言うに相応しいレベルに達している.(立命館大学情報理工学部の基準,他基準はよくわかりません・・・)プログラミング演習をしっかりと履修しており,自分で新しいルーチンを0からかりかりと書くことができる.ただし,ばりばりプログラミングコンテストで戦えますというレベルには達していない.本人達も,コンテスト最前線でばりばりとコードを書く「お化け人類」を見て,「こいつらにはかなわん」と挫折を経験しているようだ.

マイコンプログラミングは1人はなし,1人はPICやAVRで遊んだ経験あり.ロボット作成はライントレースをかじったことがある程度.ものづくり経験値的には完全に素人ではないが,スーパーマンでもないレベルだった.

勉強量は私学のレベルで平均的.普通に授業を履修・理解し,成績は安定してB以上.当たりどころによって,時々A+やCにぶれる程度と思われる.競技のようにA+を狙いに行くタイプの学生ではない.

つまり,今回の受講生は,1人で全日本大会エキスパートクラスで戦える「お化け人種」ではない.しかし,普通の学部生よりは明らかに優秀な素養を持ち,かつ,マイクロマウスに関しては真っ白な状態.先生側から見ると,最高の初期状態を持つ受講生といえる.(大変貴重!)

先生役の福井としては,この2人の「0からコードを書ける能力」に大分助けられました.

配布したレジュメ

  • 目的:フィードバック制御の実装を通じてマイクロマウスの製作を体験する
  • 最終目標:サーキット競技(マイクロマウス迷路の外周を右回りに3周するのにかかる時間を競う競技.)を行うマイクロマウスロボットの制御プログラムを実装する
  • 実習時間
    • 8月09日13:00-16:50(17:00-17:30 は研究科紹介(入試部会))
    • 8月10日09:20-12:20(12:30-13:30 に懇親会(参加者,TA,その他))
    • 13:30-17:00(17:30から修了証書授与式(研究科長),18:00に閉会)
  • 実習の流れ
    • 1. 自己紹介(名前,興味のあること,各種ロボット作成の経験など)
    • 2. マイクロマウスロボット「Pico」の概要説明
    • 3. LED,スイッチ,ブザーを使いこなそう
    • 4. 内部変数をprintf関数で表示してみよう.
    • 5. マイクロマウスをゆっくり直進させよう.
    • 6. 直進時のロータリーエンコーダ出力を確認しよう.
    • 7. マイクロマウスを5[cm]直進させ停止させよう.また,停止後の目標値との誤差を示してみよう.
    • 8. マイクロマウスを左右に90度回転させよう.また,停止後の目標値との誤差を示してみよう.
    • 9. 壁が1[cm],2[cm],3[cm]前方にあるときの前壁センサの値を確認しよう.
    • 10. 左右に壁があるときに,壁に衝突せず直進するようなプログラムを書こう.
    • 11. 前壁を確認すると右に回るプログラムを書こう.
    • 12. サーキットモード完成!周回時間を短くしてみよう.
  • 余力がある人は

余力がある人は左手法による迷路探索走行モードを作ってみよう.左手法:左側の壁をずっと伝い続ける方法.つまり,左に壁があるときは直進,前に壁があり直進できなければ右回り,左に壁がなければ左回り,を繰り返してゴールを探す方法.

1日目

Picoに慣れてもらう作業に終始した.と,いうより,準備がいい加減でそれしかできなかった.

  • LEDの点灯,SWの扱い(チャタリングを解説)
  • SCI通信でのデバック

かなり不評だった.不評っぷりから中村先生より指導が入る.

何を最終目標にして,何の作業をさせるかを考えた.全部説明するとちんぷんかんぷんになってしまうので,どこの説明をスルーし,どこの説明を簡素化するかを考える.作業効率化のために,本質的な作業以外はあらかじめ作っておくことにした.コードの可読性向上と,プログラムの書き込み回数低減が重要

  • picoに内在されているバグを直した
  • パラメーターチューニング用のOSもどきを作って置いた
  • 受講者は制御則v,omega部分をかえるだけ状態になるようにした

Picoにデフォルトで入っているSCI通信ルーチンにはバグがある.すなわち,SCI_printfなどの送信関数はきちんと動作するが,SCI_getcなどの受信関数は動かない.月並亭で公開されているSCI通信モジュールを組み込むことにした.

teratermから数値をマイコンに入力できるような関数を準備した.すなわち,各種パラメータをSCI通信で調整できるようなモジュールを追加した.

picoでデフォルトに入っている制御ループは,どこが何の制御部分かが分かりにくい.でかでかとコメントを書き,どこを直せばいいかを補足した.Picoの制御ループは,速度入力v,角速度入力omegaを設計してからそれを右モータ速度入力,左モータ速度入力に変換する仕様に(厳密には)なっていない.制御式を修正し,v,omega変数に制御入力をつっこむと,後は下位の速度PI制御が勝手に動くようにした.これにより,受講者がv,omega入力設計に集中できるような環境を整えた.ここまでの作業で大体3時間相当の時間がかかった.

2日目

厳密に議論するには非線形制御論が必要で大変すぎる.各種近似を繰り返し,線形制御論で壁トレース制御を解析し,その解析内容を説明した.

  • ロボットは速度入力,角速度入力ロボットとみなせる
  • 原点近傍だけ考える.sinθはθに近似,センサーに線形性を仮定する

このへんの近似を繰り返すと,通路のまん中を走る制御は,二次の遅れ系に近似できることを示した.

  • 二次の遅れ系はPD制御じゃないとだめと言われていると強弁.(古典制御論を勉強しないとこのへんはわからないので,ここは言い切ってしまう.PDでなければ自由な極配置ができないとも.)
  • 以下のことが古典制御では成り立つことを説明した
    • P制御だけでは固有値の虚部が消せず,振動が残る
    • D制御だけでは固有値の実部をマイナスにできず,まん中を走れない
  • 理論で成り立っていることをpicoロボットを実際に動かして確認してもらった
    • PD制御はあらかじめ記述しておき,パラメータをチューニングすればよいだけの状態にしておいた
    • P制御だけにしたい場合はD制御のゲインを0にすればよい.逆も同様.
    • Pゲインをきつくるすと収束ははやくなるが,虚部項がでかくなるので振動することを確認した.
    • D制御だけだと,θは進行方向に収束するが,迷路との距離は補正できないことを,物理的に考察した.物理的な考察と制御論的な考察の2種類を行った.
  • 迷路のまん中を走れるようになると,走行し終わりの際に,前壁との距離を適切にできるような制御をかいてもらった.
    • 制御則は,速度入力v=-K(現在のセンサー値-適切な距離にロボットをおいたときのセンサー値)
    • picoデフォルトの制御則は,壁ぎれルーチン+急停止だが,位置決め制御をいれることで安定性が向上した.
  • これらを組み合わせてサーキットモードを走ってもらった.
    • パラメータ調整実験により,パラメータは洗礼された値になっており,かつ,位置決めにより正確な停止を行っているため,安定度が劇的に向上したものができた
  • この段階で残り30分くらい.
  • まだづつきをやりたそうなので,スラローム走行について説明.
    • 右モータと左モータの速度比を,回転半径から求める
    • どれくらいのステップだけ動かせば90度30mm半径スラロームになるか計算
    • 15mm直進,30mmスラローム,15mm直進を書いてもらった
    • 当然外側に膨れたものができあがる
    • 今までは問題にならなかった,下位のモーター速度PI制御が問題になること,遠心力が問題になることなどを説明して終了
    • つづきがしたかったらPICOを買って下さい.関西支部にきてくれると歓迎するよと最後に宣伝した.
  • 開発のコツは,計測70%,制御の工夫30%のようだ.計測をしっかりやっていると制御部分は簡素なものですむため,開発速度が向上することが分かった.換言すると,計測をしっかりやった上で限界を感じてから制御部分の工夫をすることがコツのようだ.
  • パラメータチューニングのときは,理論で大体の値を求めておいて,後は気合で微調整の方針でやってもらった.

2人とも局地旋回を使った支部サーキットモード完成.2人のロボットの軌道は微妙に違う.同じ制御・プログラムでもパラメーターチューニング法には個性が出るようだ.1人はスラロームターンにも取り組み始めたが,途中で実習時間は終了した.スラロームに取り掛かった受講者はつづきをやりたげな空気だった.かなり好評.こんなかんじのイベントを支部で開けばマウサー人口が増えるだろうなぁと思った.

つづきをやりたいと思わせて,少しやらせて終了させるのが社長の仕事だそうです.やりたい,やりたいとがまんさせて,次の日も猛烈にがんばらせるみたいな.

2日目開始時の状態.zip
SCI受講者最終状態.zip

今後のマイクロマウス大会の運営を考える会キックオフミーティング

本ページでは,「今後のマイクロマウス大会の運営を考える会」(「考える会」)の情報について,公式ページの情報だけでは追い切れない詳細の部分を補足していくページです.

本ページに書かれている情報は二次情報であり,正式な情報は財団法人ニューテクノロジー振興財団を参照願います.(http://www.ntf.or.jp/mouse/kangaeru-kai.html)

このページは,「考える会」に参加した有志によって編集されており,「考える会」に参加された方なら,どなたでも編集が歓迎・推奨されます.マイクロマウス競技を存続させるためには,あなたの積極的な参加が必要です.

  • 企画名:今後のマイクロマウス大会の運営を考える会 キックオフミーティング
  • 主催:今後のマイクロマウス大会の運営を考える会
  • 日時:2011年6月18日(土) 15:00~17:30程度
  • 場所:芝浦工業大学 豊洲校舎教室棟3階304号
  • 懇親会:18:00頃より,「味処いちむら」(有楽町線 豊洲駅 徒歩2分,TEL:03-3534-8395 東京都江東区豊洲4-2-2)

今後のマイクロマウス大会の運営を考える会とは

今後のマイクロマウス大会の運営を考える会とは,2012年度以降のマイクロマウス競技の運営法について議論する場である.従来の主催者だけではなく,競技者にも参加を呼びかけ,広く意見を募る.マイクロマウス競技に少しでもかかわっていれば,参加が歓迎される.是非,良いアイディアを共有して,これからのマイクロマウス競技を作り直して行きましょう!

考える会設立の経緯

マイクロマウス競技は,1977年にIEEE(米国電気電子学会)が提唱したことに始まるロボット競技である.日本では,1980年からニューテクノロジー振興財団が全国大会を主催している.

(財)ニューテクノロジー振興財団は(株)バンダイナムコゲームスがマイクロマウス等の活動支援のため設立した財団であり,マイクロマウス大会の活動は長年にわたって同社の支援によって運営されてきた.しかしながら,近年の経済状況を鑑み,2012年度以降はマイクロマウス競技の支援ができない状況となった.

また,マイクロマウス競技は,1980年の創立時代から今日まで油田信一教授を初めとする世代が中心的な担い手として活動を継続していた.しかしながら,30余年が経過し、現役を引退する時期も近い中で,運営側の中心的な担い手が失われる危機に瀕している.

このように,中心的な担い手・競技を支えるスポンサーを失うため,2011年度までの運営方法では,競技の継続が困難なものになっている.

参加者が減少傾向にあり,社会から必要とされていないなら,このまま競技を終了しても良いかもしれない.しかし,マイクロマウス競技は,2011年度現在も日本最大規模の参加者を誇る競技である.参加者あってのマイクロマウス競技であり,参加者が支持する限りは競技を継続するべきと考える.

では,具体的に,どのように運営方法を再編し,競技を継続すべきだろうか.現状では,知恵・マンパワーの両面に不足がある.また,どのような再編を行えば競技者の支持を得られるかも不明である.これに対しては,参加者全員で考え・支えあうことで解決できないだろうか.マイクロマウス競技は日本最大規模のロボット競技であるから,一人ひとりは小さな貢献でも,全員で協力すれば大変大きな力になる.また,みんなで自分達が楽しいと思える競技に変えていけば良いのである.

そのための第一歩として,「マイクロマウス大会の運営を考える会」を参加者全員で作り,集まり,今後もマイクロマウス競技が継続する道を話し合ってはどうだろうか.この文章を読んでいる段階では,「貢献できる点が何があるかわからない」と思っているあなたも,みんなで集まって考えれば,小さな労力で,大きな継続への力となるアイディアが生まれると信じている.あなたの参加を心から期待する.

第1回会議の記録

※非公式。参加者の記録をもとに。

  • 日時:2011年6月18日(土) 15:00~17:30
  • 場所:芝浦工業大学 豊洲校舎教室棟3階304号
  • 出席者数: 41名以上
  • 主な内容: 問題点の確認と顔合わせ。
  • * 来年以降の運営と資金源をどうするかが課題。
  • * 財団というのは昔は大きな額の預金の利息で社会貢献を行うものであった。しかし低金利時代の今、利息による収入はあまりない。NTFの預金(基本金)は1億円くらいだが、利息を大目に見積もってもざっと年間30万円程度。
  • * 収入はバンナムの寄付金3000万円が主.これまで毎年されてきたこの寄付金は,社会情勢の変化により打ち切られる.
  • * 必要経費は、財団の人件費、大会会場費、迷路など機材の保管、運搬、大会運営員人件費など。
  • * 全国大会の開催にはおよそ1500万円程度かかっていた。これは企業による出資という体面上それなりに豪華にする必要があったという要因を含めた額である。学生大会のように大学の協力を得て最低限の費用で開催するなら、250万円くらいには圧縮できると思われる。
  • * 地区予選、学生大会はボランティアや大学の協力により経費は安い。毎年地区支部にNTFから支給しているお金(10万円程度)ぐらいのオーダー。
  • * 全国大会は参加台数が多く、ボランティアだけでは運営し切れない。
  • * マイクロマウス競技が存続するためには中心となる主体(今でいうNTFマイクロマウス委員会)が必要。大学が持ち回りで大会を開くことはできるだろうが、引き継ぐ人や研究室がなくなったときに自然消滅してしまう恐れがある。
  • * 最低限の経費+人件費で考えると、財団の預金の取り崩しで4年くらいは現在の規模を続けられるだろう。その間に新しい体制への引き継ぎなどをし、財団がなくてもやっていけるようにするのが一つの方法。(これは決定事項ではない)

いずれの路線でも根本的問題になっている1000万円以上のお金を得ることは難しいが,収入を増やす方法・アイディアも議論された.

  • 恒常的収入の可能性
  • * 全日本大会の参加費は1律1000円で,参加者全体で30万円程度の収入.社会人3000,学生2000,高校生1000円にすると,60万円への収入増が見込まれる
  • * 優勝者など,大会で活躍した競技者の講演会を開き,参加費をとれないか.(今後の可能性として)
  • * 協賛を募る→今のご時世,1000万円オーダーの協賛は難しいのが現実.
  • * マウサーは優秀な人材が多い.全日本大会の会場に,企業の就職相談ブースを設置し,各20万円なりの手数料をとる.→「協力者」ではできない仕事.責任を持って対応できる,ブース設置担当者が必要.
  • * 予算を持っている研究室からお金をとる.予算持ちの研究室は,研究室ごとの参加が必須という形にして,1研究室あたり10万円程度徴収する.
  • 臨時的収入の可能性
  • * 寄付金を募る,企業によっては社員が寄付した金額と同額を会社が寄付するという制度があるようだ.

普及活動

関西支部を運営するにあたって

参加者あっての関西支部

競技者の皆さんは,自分が好きだから・楽しいからマイクロマウスに取り組んでいます.
そして,関西支部のイベントにも,好きだから・楽しいから来ます.
参加者が楽しくなくなれば,関西支部に人は来なくなります.
そして,人が来ない関西支部に存在価値はありません.
しかし,参加者が楽しい!と思えば,関西支部にはもっと多くの人が集まるでしょう.
誰か偉い人の満足のためにあるのではなく,関西支部は参加者の楽しさのためにあるべきです.

価値観を尊重する

マイクロマウスのルールは30年間不変で,かつ,最低限のルールしか設定されていません.
自律型ロボットであれば,基本的にどんなロボットを作っても自由です.
こだわり,好きなことを自由にロボットに反映でき,競技者の価値観が尊重されるルールになっています.
マイクロマウスにおいては,競技者の価値観は,最大限に尊重されるべきです.

可能性を伸ばす

ロボットが次々と進化していくことに喜びを感じる参加者は多いはずです.
あるいは,新しい技術課題に闘志を燃やす参加者もいるでしょう.
可能性を秘めた人・技術・価値観はあらゆる意味で応援されるべきです.

応援には色々な形があります.
アドバイスをする,支部として表彰する,新しいデバイスを賞品にする,
合宿を開く,交流会を開く,,,ありとあらゆる手段を使い,新しい可能性を伸ばすべきです.

なお,「新しいことに挑戦しない」という価値観を否定するものではありません.
「新しいことに挑戦しない」という価値観も,もちろん尊重されます.

構成メンバーを考える

参加者が参加しやすい環境を意識する.

  • 社会人(土日が標準的には休み.翌日仕事があることを考えると土曜日開催がいいなぁとか)
  • 学生(7月~8月は期末テストでしんどいなぁとか)
  • 専門学校生(同上,少しスケジュールが違うことがある)
  • 高専の学生
  • 大学の先生(支部長候補,学会日程とかぶらないようにとか)

年次計画をたてよう

2010年は以下のような活動日としました.

開催日時 イベント名 開催場所
2009年12月24日(木) マイクロマウス関西支部準備委員会試走会 奈良先端科学技術大学院大学B707(システム制御・管理講座)
2010年02月27日(土) 第1回勉強会(兼総会) 京都コンピュータ学院洛北校教室
2010年03月27日(土) 第2回勉強会 京都大学機械研究会教室(京都大学吉田キャンパス吉田南4号館12教室)
2010年05月29日(土) マイクロマウス委員会関西支部復活記念大会 奈良先端科学技術大学院大学 ゲストハウスせんたん
2010年07月31日(土) マイクロマウス関西支部中部初心者大会直前試走会 CINCS部室
2010年12月04日(土) 全日本大会反省会的試走会兼忘年会 CINCS部室
2011年02月吉日 総会

2010年は以下を考慮して日程をたててみました.

  • 社会人は土曜日と日曜日では前者の方が参加しやすいと思われるので,基本的に土曜日開催としました.
  • イベントは毎月開催は大変なので,2ヶ月に一回程度の回数設定としました.
  • 8月に中部初級者大会があるので,その直前の7月から2ヶ月刻みで基本的に設定しました.
  • 1~2月半ばまでは卒業論文・修士論文が忙しいので避けました.
  • 3月は春休みの作業まとめ・社会人の期末の〆作業を考慮して,3月末にしました.
  • 5月はオープンキャンパスとあわせての開催とするため,この日程しかありません.
  • 7月前半は前期の試験が行われるので,7月末の開催としました.
  • 9~11月はどの週に開催しても他支部とのイベントとブッキングする可能性があるからお休みです.
  • 12月は年末になると,忘年会ラッシュで参加しにくくなるため,12月頭に設定しました.
  • *制御系の学会スケジュール的にも12月頭が望ましいです.

2011年は以下を考慮して日程をたててみました.

  • 社会人は土曜日と日曜日では前者の方が参加しやすいと思われるので,基本的に土曜日開催が良い.
  • 前年度と同様の理由で,2・3・5・7・12月が良い?
  • 1~2月半ばまでは卒業論文・修士論文が忙しいので避ける.
  • 3月は春休みの作業まとめ・社会人の期末の〆作業を考慮して,3月末が良い.
  • 7月(6月?)に行われるコンピュータ学院のイベントと併催で,関西支部大会を開催
  • 12月は年末になると,忘年会ラッシュで参加しにくくなるため,12月頭が良い?
  • 各種関連イベント
  • *3月:SICE 部門大会, RSJロボティクスシンポジア
  • *5月:ICRA, ロボカップ
  • *7月:MTNS
  • *8月:SICE Annual Conference, MSC, IROS,European Control Conference (ECC)
  • *9月:NOLCOS,RSJ 学術講演会,SICE 制御理論シンポジウム
  • *12月:CDC

支部大会を開催しよう

運営側のフィードバック・意見メモを,準備~開催まで,時系列順に記して行きます.

開催までの時系列概要

  • 1年前くらいにプロジェクトスタートが望ましい
  • *関西支部復活大会は12月9日にいいだしっぺ.半年前のプロジェクト開始.
  • *naist開催ありき.ゆえに,スプリングセミナー時ありき.ゆえに,日程が5月29日に決定.
  • *関連するイベントと併催したほうが,参加者も見学者も楽しいので,スプリングセミナーありきだった.
  • 会場はプロジェクト開始時に確保しておく
    • 関西支部復活大会はプロジェクト開始時から確保に取り組んだ.大学との調整があるため,確定したのは1月末くらい.
    • 主催・共催・協賛などはプロジェクト開始時に選定(決定ではない).方針を定めておく
    • 関西支部復活大会はNTF,naist共催.共催が「確定」するまではポスターなどで「共催」などと書いてはいけない.協力を失う可能性がある.
    • ポスターを3ヶ月くらい前に作る
    • 関西支部復活大会は2月末の2-3日で作成,3月10日に公開.
    • 協賛依頼は支部長だけでなく,運営皆で取り組む.依頼自体はかなりはやめ,決定は1ヶ月くらい前の傾向?
    • ビジターズビューロは3月10日(理想?),オプトランスは5月15日(これは遅すぎ・・・)
  • 迷路座標は開催1ヶ月前から公開
  • 参加受付は開催1ヶ月前から公開
  • digi-keyが最大?10日くらい納品にかかるらしいので,2週間前くらいまでに景品をそろえた方が良い.
  • モータはmicromoが半年コース,maxonが1ヶ月コースくらい?なので,モータを景品にする場合はさらに早くする.
  • 運営関係者が競技に参加したい場合

    • 支部長・副支部長は公正を期すため,参加しない
    • 支部長・副支部長は大会当日は会場にいるべき(いれる人を総会で選定すべき)
    • 競技参加したい人は迷路の決定にはかかわらない.(支部長・副支部長でチェックを行う)

    開催案内について

    • 駐車場案内の問い合わせ2件.意外と忘れられがちだが,複数人数で来る場合,車は電車より安上がりで便利.

    迷路について

    迷路がなければ大会は開けない.迷路の準備は重要.扱いについては迷路の準備・保管を参照.
    迷路の輸送に以外とお金がかかる点に注意.

    計測装置の使い方

    • ファイバアンプはDモード Timer Offで使う.
      • Lモードで使うと,1秒以上かけて通過すると「通過」とみなされるセンサーとして成立しているように見える(間違いにもかかわらず)
    • 結線はSSはスタート信号 GSはゴール信号.中継ケーブルと計測ユニット間は正しく結線すること.
    • 中継ケーブル2又とファイバアンプ間はどのように結線しても良い.
    • 光ファイバーは高価な割に折れやすく,壊れやすい.取り扱いに注意する旨をマニュアルに記すべき.
    • フルサイズ迷路の計測装置について,柱の組み合わせによっては受光が出来ないことがあった(光が届かない).
    • *ゴールセンサとスタートセンサを入れ替えたら動いた

    大会前日(試走会)

    • 施錠の関係で,裏口から入るしかなかった.
    • 久保田先生の監督の下で作業したいため,フルサイズ迷路の組み立て(ピン入れ)は大会当日にやることになった.

    大会当日

    • 迷路の組み立て(ピン入れ)に工具(レンチ)を忘れた
    • 本番迷路の公開タイミングで議論があった
    • *ピン入れ後は迷路の上に乗ってほしくないとの意見のため,本番迷路の壁配置→ピン入れをすることにした.
    • *ピン入れには迷路を4面同時に持ち上げる必要がある.すなわち,8~10人くらい必要.
      • これは迷路の公開をしないのであれば,参加者ではないスタップが8~10人必要なことを意味している.
    • 表彰式で賞金の受領書を2名取り損ねた.
    • (参加賞を忘れた人がぼつぼついた.)
    • (写真撮影係を管理し損ねて危なかった.)

    大会修了後は

    • 速やかに結果を表示する.
    • 計測装置を返送する.梱包材を忘れない.送り状を付ける.
    • 迷路をコンピュータ学院に返送する.
    • 決算が確定したら少なくとも支部メンバーには公開する.

    大会を豪華にするには

    豪華な大会と,豪華でない大会.どちらか選べるのであれば,豪華な大会の方がいいと思うのが参加者の人情.

    復活大会は,NTFからの補助金10万円のみで運営しました.支出である

    • 会場費
    • 人件費
    • 広報費
    • 賞品代
    • コース補修費
    • 迷路運搬費
    • 研究奨励金(賞金)

    のうち,会場費・人件費・迷路運搬費を0円で運営した結果,25000円程度の黒字になっています.

    ただし,この3つのいずれかにお金を払い出すと,トントンの収支に,
    3つのうち2つ以上にお金を払うと赤字になることに注意しなければなりません.

    黒字で運営し,かつ,大会を豪華にするには

    • 収入を増やす(協賛を依頼する)
    • 支出を減らす

    の2つが考えられます.
    例えば,

    • 協賛を依頼すればお金がどこかからおりるかもしれません(かなり難しいようです)
    • 大学で開催すると,大抵会場費を0にできます.
    • 現場にいる学生を借りだせば人件費は0に近づきます.(この場合は何らかの形でお礼をするとよい.例えば,感謝の意味で表彰することは東支部などでもされています.)
    • 自前WEBページを作ったり,雑誌取材をお願いすると広報費は0に近づきます.
    • 企業に協賛を絨毯爆撃のごとく依頼すると,賞品代が0に近づきます.賞品にならなくとも参加賞にはなります.
    • 迷路を大切に扱っていればコース修理費は0に近づきます.(が,0にするのは無理だと思います)
    • 誰か私物で軽トラを持っていると迷路運搬費は0に近づきます.
    • ここまでのいずれかの工夫を複数個達成すれば賞金が出せる計算になるようです.

    申し込みフォームについて(反省点)

    • 参加申し込みページ,ロボット名(15文字以内)について,「!"#$%&'」で登録しようとすると7文字なのに「15文字オーバー」ではねられる(「!"#$%&」だと通りました)
    • 参加申し込みページ,ロボット名フリガナ(カタカナ)の欄にて,カタナナでなくても登録が通る
    • 参加申し込み登録情報を一度登録すると変更できない(期日までなら削除できる機能があった方が良い)
      • 製作者名(フリガナ),製作者名,所属(グループ名、勤務先、学校名),所属・グループ代表者名の項をずらして書き,修正できないとの問い合わせが1件.システムとしてはじけるようにした方が良い.
    • アカウント管理機能が欲しい.(パスワード再発行機能が欲しい).
    • アカウント発行ページとログインページ間にリンクがない.
    • システムからのメールは文頭の文字列を統一するとフィルタリングしやすい.
      • 【マイクロマウス委員会関西支部復活記念大会】件名のフォーマットだと便利
    • どこまで手作りかどうかに言及する項があってもよいかも.(ハーフはどうしても業者に発注しがちになるので,手作りを評価すべき?)
      • 手作りによる製作部分: (例:全て/タイヤのみ/機械部分全般etc)
      • 業者発注による製作部分:(例:全て/タイヤのみ/機械部分全般etc)

    情報は公開する

    • イベントの写真・動画をできるだけはやく公開する.

    (中野TRFというゲーセンで北斗の拳が爆発的に流行った理由は,
    参加者が和気あいあいと楽しんでいる様子を出来るだけ速やかにありのまま公開しつづけたから.これを参考にしてできるだけ速やかに公開することを意識しています.)

    • できるだけ理論がきっちりとしたものを公開する.

    きっちりと詰めた解説記事を書くと,他分野の人も参照してくれる.
    マウサーは人口少ないので,他分野の人も引き込めるといいですね.